【生活】ヒロシ君が日記を始めました  その1 てんこもり。


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【生活】ヒロシ君が日記を始めました  その1

1 :1:2007/04/25(水) 20:42:47 ID:6bxGrt7A
10月23日(月)
日記を始めることにした。
周りにウザい人が多いので、そのストレスの捌け口の為だ。

今日はメガネ君(仮名)と遊ぶことになった。
そしたら会った途端『僕、お母さんにNintendo DS買ってもらったんだ~♪』とか見せびらかしてきやがった。
とりあえずその口調に腹が立った。
Nintendoに恨みは無いが、これも正義のためだと思いメガネ君が持っていたDSを叩き割ってやった。
結構いい音がした。
メール着信音として是非使いたいくらいだ。

メガネ君は壊れたDSを手に持ち『あ…あ…ちょ……ヒック』とかわけの分からん言葉を口にし、なんとも言いがたい表情で立ち尽くしていた。
何があったかは知らんが、とりあえず生きろ。



4 :1:2007/04/25(水) 22:00:52 ID:6bxGrt7A
10月24日(火)
今日はダビデ君(偽名)と遊んだ。
メガネ君とは違ってダビデ君は友人として好きだ。

二人で近所の池に釣りに行った。
一時間粘ったけど何も釣れない。
隣でダビデ君がぶつぶつ独り言を言ってたが無視した。

すると突然『エサが悪いのかな~…』と言って、
何を考えたか知らんが噛んでたガムをエサとして使いだしやがった。
さらに『まだ微妙に味付いてるし大丈夫だろ…。グレープ味だし…。』とほざく。
大丈夫の基準がよくわからん。
そもそもグレープ味が彼の脳内でプラス要素として扱われていることがよくわからん。

まあ…それでも釣れなかった。

すると突然『カロチンが足りないのかな~…』と言って、飲みかけのトマトジュースを池に流し始めた。
池がほんのり赤くなっていった。
『いい色になってきたじゃんか♪』と彼はほざいた。
『魚も牛も広い意味で考えれば同じ生き物なんだから、牛と同じように魚も赤い色に興奮すると思うんだ!!』
彼は僕の目をじっと見つめそう主張してきた。
果てしなくどうでもいい。

分かりきった事を言うが、それでも釣れなかった。

次の瞬間、彼は勝負に出た。
『よし!!じゃあ僕がエサになろう!!』そう言って彼は池に飛込んだ。
それが体育の成績が1の彼が、最後に僕に見せた勇士だった。

僕はその勇士を見届けた後、荷物をまとめて帰った。
池から『た、たす…たすけて…!!』と悲痛な叫びが聞こえたが多分空耳だ


7 :1:2007/04/26(木) 20:16:44 ID:2+xeK7pO
10月25日(水)
今日は運動会だ。赤白帽が大好きな僕は今日という日を楽しみに待っていた。
僕は赤組。メガネ君とダビデ君とも同じ組だ。
メガネ君が『頑張って勝とうね!!』と言ってきた。
ブリーフ穿いてる分際で妙に馴れ馴れしい。
腹が立ったからメガネの右のレンズを叩き割ってやった。
片方は残してやる自分の男気に惚れ惚れする。
ダビデ君は昨日から行方不明らしい。どうしたんだろう…。親友として心配だ。

最初は玉入れをやった。
すると、下ネタ好きで有名なティンコ君(実名)が、
『俺は玉よりも棒を入れたいんだけどな~…』とか呟きながら話しかけてきた。
『入れればいいじゃん』と言ってあげたら『相手がいなきゃできんだろ!!』とキレてきた。
彼の言うことはよくわからん。
腹が立ったから顔面にためらいのない右ストレートをくらわしといた。

次は徒競争だ。
母が『あんたが1位になったら総理大臣になってあげるわ(笑)』とか、
僕への激励になっているのかどうかすらわからんことを口走っていたが気にしない。
力一杯走った。1位だった。母は苦笑いを浮かべていた。

午前の部の最後は男女混合リレーだ。
僕はアンカーで、ティンコ君からバトンを受け取ることになっている。
するとティンコ君が『万が一バトンを落としてしまったら俺の棒をつかんで行ってくれ!!』と、
また意味のわからない事をほざいていた。彼の言うことはいちいち腹が立つ。
そしたらリレー本番、ティンコ君から僕へのバトンの受け渡しの時に本当にバトンを落としてしまった。
その時、何を思ったかティンコ君はズボンを脱ぎ出した。
下半身を露にして近付いてくるティンコ君…。
顔にはうっすらと笑みを浮かべている。
僕は冷静に落ちたバトンを拾い、栄光のゴールへと駆け抜けた。


11 :1:2007/04/26(木) 21:20:30 ID:2+xeK7pO
10月26日(木)
たまには学校の事も書こうと思う。

朝一番に登校した僕は金魚にエサをやった。
興味本意で鼻くそも丸めて入れたが食わなかった。
こいつらなかなかいい制球眼をしてやがる。

一時間目は国語だった。
【獣】という字を習っている時に隣の席のティンコ君が『女の前では男はみんな獣なんだぜ』って言ってきた。
「~なんだぜ」←この口調は僕への挑発とみなして差し支えなさそうだ。
僕は、ティンコ君の動脈を獣のように切り裂きたい衝動にかられたがなんとか抑えた。

二時間目は算数だ。
小四にもなって【1+1】の足し算をやらされた。
みんなはすぐに答えをプリントに書いていたけどメガネ君だけ一生懸命なんか書いてた。
覗いてみると、
『【1+1】この答えは2だと思われる。
だが1+1を2だと答えるには、まず問題の1が本当に1なのかを証明しなければならない。
見せかけだけの数値に惑わされてはならない。
だが、このヒントのない状況でそれを証明することは不可能に近い。
この問題は、数学界においてもいまだ立証されていない、極めてレベルの高い計算式と考えて間違いない。
よって僕の答えは【わかりません】です』と書いていた。
僕は問答無用でメガネ君を殴った。


三時間目は社会だ。
授業開始早々ティンコ君が『やべ!!社会の窓開いてた!!』とほざいた。
戸締まりくらいしっかり確認しとけ。
僕は家の鍵でティンコ君の股間を全力で突いてやった。

四時間目は理科だ。
顕微鏡でいろいろな微生物を見た。
肉眼で見えないほど小さな奴らでもみんな懸命に生きている。
命の素晴らしさ尊さに感動した。
むやみに命を持て遊んではならない。
友達を傷付けるなんて最低の行為だ!!

やっと給食だ。
今日の献立はカレーだ。旨い。
隣でメガネ君が、自分が下痢気味であることを話してきた。
僕は持っていたフォークをメガネ君の肛門に刺してやった。
メガネ君のケツから赤色と茶色の液体が強烈な異臭のハーモニーを奏でて産まれてきた。

本日最後の授業。五時間目の体育だ。
みんなでドッジボールをやった。
顔面に当てるのは禁止らしい。だがそんな事は関係ない。
僕は魂をこめた一撃を放った。メガネ君の顔面に向けて…。
メガネ君は美しい弧を描いて宙を舞った。


今日も一日無事に終わった。


15 :1:2007/04/26(木) 23:26:24 ID:2+xeK7pO
10月27日(金)
最近メガネ君が挙動不審だ。
やたらキョロキョロしている。怪しい。
僕が警察なら即逮捕するだろう。それほど怪しい。
まあメガネ君自体が元々怪しい存在ではあるけれども。

話を聞くと、どうやら好きな女の子がいるらしい。
だから落ち着かないのだ。
僕はメガネ君を落ち着かせるためにとりあえず一発殴っといた。

相手は同じクラスのモンローちゃん(芸名)だった。
顔は仲間由紀恵と伊東美咲を足して2で割った後、
森三中を因数分解したものに山田花子を加え、ユンソナを塩こしょうで炒めたような顔だ。
うん、まあ要するに似ている芸能人はいないという事だ。

メガネ君曰く、モンローちゃんは優しい子らしい。
道端に捨てられていた猫に牛乳(一ヶ月前のもの)をあげていたのを見たそうだ。
その行為はすばらしいが、モンローちゃんは新しい牛乳を購入するという発想はなかったのだろうか?

メガネ君曰く、モンローちゃんはセクシーらしい。
いつもノーブラとの事だ。
小学4年生でそれはいたって普通だ、と僕は言ったが興奮気味のメガネ君に僕の声は届かない。
しゃくにさわったのでメガネ君の延髄に回し蹴りをくらわした。


メガネ君はラブレターをあげるつもりのようだ。
そんで、どんなラブレターがいいか僕に相談してきたという展開なのだ。

まず、メガネ君はどんなラブレターにするつもりなのか聞いてみた。
『ラブレターの文を誰にも読めないような難しい暗号にして、僕の知性をアピールするのがいいと思う!!』と言っている。
『読めなきゃラブレターの意味ないじゃん』とアドバイスしてあげると、
メガネ君は『(゜ロ゜;(気付かなかった…!!)』という表情を見せた。
この時点でもう馬鹿決定だ。

話し合いの結果、ラブレターの文章は『好きです。ぼくと付き合ってください』に決まった。
メガネ君が『僕と一緒に月割ってください!!』の方が力強さが増していいんじゃないか、
とほざいたが相手に意味が伝わらなきゃ意味がないということを再度、怒りの鉄拳と共に教えてあげた。
こいつはホントに学習能力がない。

今度は渡し方だ。
下駄箱か机の中を提案したが、
メガネ君は『モンローちゃんがトイレの個室に入ってる時に、ドアの隙間にさしこんでこっそり渡そう』と言っている。
馬鹿かこいつは。
女子トイレに忍び込む度胸があるなら普通に手で渡せ。

結局ラブレターはメガネ君の意思を尊重して、
『好きです。僕と一緒に月割って下さい!!』という文で、トイレのドア越しに渡す事に決まった。
メガネ君は土日を利用してラブレターの準備をするそうだ。
僕はもうどうでもよくなった。


29 :1 ◆A2rpxnFQ.g :2007/04/27(金) 18:18:43 ID:nU2YYrFo
10月30日(月)
土日を経て、清々しい月曜の朝だ。
こんなに気持ちのいい朝は久しぶりだ。


そんな爽快な月曜の朝っぱらからメガネ君に付きまとわれた。
何が楽しいのか知らんがやたらニヤニヤしてやがる。
『僕ドキドキしてきちゃったよ~…』とか気持ちの悪い言葉を浴びせてきた。

今日、なんかドキドキするようなイベントあったっけ?
………いや、何もない。あったような気もするが、どうせどうでもいい事だ。
何もないのになんでこのメガネはこんなに楽しそうなんだ?わからん。
意味不明な事を言いやがって…。
ふざけるな。
僕に何の恨みがあるんだ。

『さあ早く学校に行こう!!』とメガネ君は僕の腕を引っ張る。
このメガネ男は一体何をそんなに張り切ってるんだ。
さっぱりわからん。


『あれから僕考えたんだ。そしてウジウジしてもしょうがないって気付いたんだ!!もう迷わないよ!!』
彼の腹の立つ絡みは続いた。
僕は拳にありったけのエネルギーを集め、彼の鼻先を全力でぶん殴った。


『モンローちゃんはいつトイレに行くんだろう…。
早く行ってくれないと僕らの目的が果たせなくなるよね~』と、不意にメガネ君が口走った。
………この男は一体何をしようとしてるんだ!!!!?
今の発言を聞く限り、盗撮しようとしてるとしか考えられない。
既にターゲットを決めているあたり計画的犯行だ。
しかも『僕らの目的』って…。さりげなく俺様を共犯にするな!!
疑惑の念を抱いたまま、僕は学校に着いた。

標的のモンローちゃんはもう教室にいた。
それを確認したメガネ君はかばんから取り出した封筒らしき何かを自分のポケットに忍ばせていた。
………きっとあれは薄型の盗撮用カメラだ!!
電化製品の小型化が進んでいるとは聞いていたが、まさかあそこまで薄いカメラがあるとは知らなかったぜ。

そんなこんなで三時間目が終わり、休み時間が来た。
ついにモンローちゃんが立ち上がりトイレへと向かったのだ。
それを確認したメガネ君は『さあ行こう…』と小声で僕に呟き後を追った。
メガネ君は盗撮を実行するようだ。


メガネ君の後ろを歩く僕はドキドキしていた。
友人が今犯罪を行おうとしているのだ。
そうか…。朝メガネ君が言っていたドキドキってこういう事だったのか…。
ドキドキに押し潰されそうな僕の視線を背中で受け、
メガネ君はモンローちゃんの入っていった女子トイレに入っていった。





気が付けば僕は職員室へ駆け込んでいた。
担任のサムゲタン先生(戒名)に『メガネ君が人の道を踏み外そうとしています!!
親友として放っておくことはできません!!彼を止めて下さい!!』と泣いて訴えた。


メガネ君は現行犯で先生に取り押さえられた。
まだ女子トイレに忍び込んだだけで犯行には及んでなかったようだ。
間に合った。

メガネ君は先生に怒られた。
まあ犯行未遂という事でそれだけで済んだみたいだ。
僕の正義は彼をすんでのところで救ったのだ。

『結局何もできなかったじゃないか~(;o;)どうして邪魔したんだよ~?』とメガネ君が言う。
僕は拳にありったけの愛情を集めて、彼の左の頬骨を全力で殴った。
殴られたメガネ君は地面に倒れ、ピクピクしたまま起き上がってこなかった。
殴られたメガネ君よりも殴った僕の心の痛みのほうが重症なのだ。



そういえばメガネ君は今日ラブレターを渡すと言ってたがどうしたんだろう?
どうせ盗撮で頭が一杯で忘れてたんだろう。
愛の告白より盗撮を優先するなんて、メガネ君は生粋の変態だ。


37 :1 ◆A2rpxnFQ.g :2007/04/27(金) 21:38:54 ID:nU2YYrFo
11月14日(火)
最近、僕らの町は半漁人の噂で盛り上がっている。
『俺の下半身も女を見て盛り上がってきたぜ!!!!精神的、肉体的、二つの意味でな!!!!』と、
ティンコ君の声がどこかからか聞こえてきた気がしたが空耳だろう。


半漁人は、先日ダビデ君と釣りに行った湖に出没するらしい。
ダビデ君はあの日以来行方不明のままだ。
もうあれから3週間、ダビデ君の顔が思い出せない。
顔だけならまだしも、ダビデ君を形成する元素も思い出せない。
友達の元素を知らないなんて友達失格だ!!!!


今日はティンコ君とメガネ君とで半漁人を見に湖まで行った。
出発前は『半分が魚で出来てる半漁人なんかちっとも珍しくないよ。
それよりも半分が優しさで出来てるバファリンのほうがよっぽどか貴重だよ。』と、
意味の分からない発言をしていたメガネ君だが、気がつけば勝手についてきていた。
誘った覚えはない。
更に『僕が独自に調べ上げて判明した、半漁人の好物であるガム(グレープ味)を持ってきたぜ!!』と、
聞いてもいない情報をペラペラ喋り出したのでティンコ君と二人でメガネ君の金玉を一つずつ共同作業で握り潰した。
だが、とどめをさすには至らなかった。
左右の金玉が正常に機能し続けているのが残念でならない。


湖に辿り着いた。
噂の半漁人は水辺でヒンズースクワットをしていた。
トレーニングに水を差すのも悪いので、300回やり終えて一服している隙に半漁人に近づいた。
恐る恐る近づいていくとどこかで見覚えのある顔が飛び込んできた。
半漁人は誰かにそっくりだった。
それが誰かは思い出せない。
わかるのは『3週間前に一緒に釣りに来て、ガム、トマトジュースを湖に流して最終的に自分が湖に飛び込んでいまだに行方不明の誰かである』のは確かなのだ。
…くそ!!これではヒントが少なすぎて誰だか思い出せない!!
もっとヒントがあれば…。

よく見ると半漁人は名札を付けていた。
名札には『凸松ダビデ』と書かれていた。
…どこかで聞いたことのある名前だ。
『3週間前に一緒に釣りに来て、ガム、トマトジュースを湖に流して最終的に自分が湖に飛び込んでいまだに行方不明の誰かである』…
誰かである…
だれかである…
だれである…
だりである…
だびである
だびで…
ダビデ…
ダビデ!?
そうだ!! 『3週間前に一緒に釣りに来て、ガム、トマトジュースを湖に流して最終的に自分が湖に飛び込んでいまだに行方不明』の誰かはダビデ君だったんだ!!
ようやく思い出したぜ親友よ!!
そしてお帰りダビデ君!!!!




ダビデ君は軽度の記憶喪失になってました。
ティンコ君のチンコを見せたら記憶が戻りました。


42 :1 ◆A2rpxnFQ.g :2007/04/27(金) 23:52:48 ID:nU2YYrFo
11月28日(火)
寒い日が多くなってきた今日この頃、小学生らしくみんなで公園で鬼ごっこをして遊んだ。
僕とメガネ君とティンコ君、それに3週間の半漁人生活を経て帰ってきたダビデ君を加えた4人だ。
まずは鬼を決めなければならない。
すると『鬼ごっこで鬼を決めよう!!』とメガネ君がほざいた。
みんなを代表して僕が、渾身の一撃をメガネ君の鎖骨にくらわした。
こいつは相変わらず話の主旨を理解しようとしない。
話し合いの結果、グループの和を乱したメガネ君が鬼に決まった。

糞に等しいメガネ小僧に捕まるわけにはいかない。
僕は体内のエナジーを両足に集め、全力で逃げた。


ダビデ君はジャングルジムの頂上に逃げた。
高所恐怖症のメガネ君には追跡不可能な逃げ場だ。

全力で駆け抜け中の僕は、滑り台の頂上に逃げた。
日頃から『今の時代、滑り台なんてナンセンスさ。
幼稚園のお受験だってすべらなかった僕が滑り台なんかですべってたら近所のおばさんに笑われちゃうよ。』
とか意味不明な事を言っているメガネ君だ。
滑り台を上ってくるはずがない。

ティンコ君は女子便所に逃げ込んだ。
カメラ片手に。

数分後、駆け付けた警察によってティンコ君はどこかへ連れていかれた。
僕は一生懸命他人のフリをした。

そんなことが起きていたとは知らず、鬼のメガネ君は必死にティンコ君を探していた。
僕とダビデ君が追跡不可能な位置にいる以上、残りはティンコ君しかいないのだ。

少し考えてメガネ君は女子便所へ入っていった。
満面の笑顔で。

数分後、駆け付けた警察によってメガネ君はどこかへ連れていかれた。
僕は一生懸命他人のフリをした。

鬼のいなくなった鬼ごっこに嫌気がさした僕とダビデ君は家に帰ってドラクエをやることにした。


46 :おさかなくわえた名無しさん:2007/04/28(土) 11:05:19 ID:e3vQkhZd
12月1日(金)
最近ははティンコ君と下校している。
いつもはメガネ君と帰ってたけど、先日の盗撮の件でメガネ君が変態だとわかった以上危険だ。
いつ同性愛に目覚めるかわかったもんじゃない。

二人で並んで帰っていると、突然ティンコ君が草むらからなにかを発見し、それを拾いあげた。
どうやら捨てられていた本のようだ。
ティンコ君は今まで見せたことのない下品な笑顔でそれを読み始めた。
表紙は看護婦の格好をした綺麗な女の人が一人だけ大きく写っている。
『痴漢』とか『淫らな熟女』とか『濡れた人妻』とか書いてあった。
小4の僕にはまだ読めない難しい漢字だ。
意味すらわからん。
そんな難しそうな本をティンコ君は舐め回すように読んでいる。
初めてティンコ君に敗北を喫してしまったような気がした。

ティンコ君に『それはどんな本なの?』と聞いてみた。
ティンコ君は『女体学を図入りでわかりやすく教えてくれる素晴らしい本さ!!』と答えてくれた。
女体学か…。
存在すら初めて知る学問だ。。
『男なら誰もが興味を持つであろう学問なんだよ』とティンコ君は続けて言う。
…知らなかった…。
女体学とはそんなグローバルな学問だったのか…。
ティンコ君なんて下ネタしか言わない野蛮で下等な民族だとばかり思っていたけど、こんなにも博学英才な奴だとは思ってなかったぜ。
見直したよ、ティンコ君。


再び読書に励むティンコ君。心なしか息が荒い。
なぜかハァハァ言っている。
それでも笑顔は絶やさない。
彼にとって女体学の書物を読むことは、それほど集中力を要する行為であるに違いない。
邪魔はしないでおこう。


二人で歩いて帰っていると、担任のサムゲタン先生が向こうからこちらへ歩いてくるのが見えた。
ティンコ君は読書に夢中で先生に気付いてないようだ。
『先生、こんなとこで何してんの?』と、僕は先生に話しかけた。
先生は『危険人物のメガネ君を家に送ってたんだよ。
あんな変態を下校時に野放しにしておくと何するかわかったもんじゃないからね』と答えた。
先生は意外と毒舌だ。

『ティンコ君は何を読んでるんだ?』と、先生は女体学の本を読んでいるティンコ君に話しかけた。
だがティンコ君は本に夢中で返事をしない。
先生がいる事自体、まだ気付いてないみたいだ。
先生はティンコ君が読んでいる本の表紙を見た途端、『何を読んどんのじゃ貴様は?!!!!!』と怒りの形相でティンコ君を怒鳴りつけた。
その怒鳴り声でティンコ君は先生の存在に初めて気付いたのだった。


以下、先生とティンコ君のやりとりを詳しく記す。
↓↓↓↓↓

サムゲタン先生(以下:先生)『ティンコ~!!!!貴様はガキの分際で何を読んどるだ?!!!』
ティンコ君(以下:ティ)「先生!!!!あなたはいつもそうだ!!そうやって未来を担う僕らの性欲を無理矢理押さえ込んできたんだ!!
             僕はもう惑わされない!!自分の性欲に正直に生きるんだ!!」
先生『黙れ下等生物が!!貴様のしている事は私の掲げる教育理念に著しく反しておるのだ!!
   乱れた性社会を正そうとする私の志が貴様にはわからんのか!?』
ティ「人類に性欲があったからこそ僕らはこの地に産まれることができたんだ!!
   先生!!あなたのしている事は自分の存在を自分自身で否定している事に等しいんだ!!」
先生『違う!!』
ティ「違わない!!そんな、自分の欲望に素直になれない社会だと言うのなら、今すぐ道路に飛込んで車にひかれて死んでやる!!!!」
先生『やめるんだティンコ!!お前にはまだ素晴らしい未来があるんだ!!その未来を自ら絶ってはいけない!!
ヒロシ!!黙ってないでお前からもなんとか言ってやれ!!』
ティ「止めないでくれヒロシ君。僕は本気だ!!こんな腐った社会とはおさらばしてやるぜ!!」
先生『ヒロシ!!お前は目の前で親友が苦しんでるのになんとも思わないのか!?』
ティ「考える必要はないよヒロシ君。君だってこんな束縛された社会に嫌気がさしてるんだろ?
   ならば僕の気持ちもわかってくれるはずだ!!!!」



二人がなんかいろいろ言ってきてたが、僕は帰って水戸黄門の再放送を見るために家路を急いだ。


55 :1 ◆A2rpxnFQ.g :2007/04/28(土) 21:03:39 ID:e3vQkhZd
12月4日(月)
今日は学校に警察の人たちが来て交通安全教室をやった。
メガネ君が『ヒロシ君はその内逮捕されそうだから今のうちに挨拶に行っといた方がいいんじゃないかい?(笑)』
とか言ってきたので朝一番で全力で殴っといた。
いい音がした。
この音を聞かなきゃ一日が始まった気がしない。
毎日ありがとうメガネ君。


まずは横断歩道のわたり方を教わった。
でも小4だからみんなわかってる。
そんな中警察の人が『目の前の信号が赤信号だったらみんなはどうしますか?』と質問してきた。
青信号に変わるのを待つに決まってるだろ。

だがそこですかさず手をあげたメガネ君は、
『緑の色眼鏡をかけて、赤信号を青信号に変えるのがいいかと思います。』と真顔でほざいた。
みんなはメガネ君をバカよばわりしていたが、僕は何も言わなかった。
いっそのことそれを実践してもらって車にひかれて死んでくれたらどんなにいいだろうか。


警察の人は話を進めた。
『信号が青になったら渡ることができますね。でも急に渡っちゃ危ないですよね。
何をしてから渡るのが安全だと思いますか?』とおじさんは聞いてきた。
左右の確認に決まってるじゃないか!!
質問の馬鹿さ加減に僕は少し腹が立った。

そこで今度はティンコ君が手をあげて自信満々に『左右の確認をしてから、最後に股間の確認をします』と答えた。
意味がわからない。

警察の人も困惑していたが、ティンコ君に『なぜ股間を確認するんですか?』と聞き返した。
ティンコ君は下品な笑顔で『いきなり飛び出したら危ないし恥ずかしいからです』と答えた。
貴様の存在自体が恥ずかしいのだ。
僕は周りにバレぬよう細心の注意を払って、全力でティンコ君の恥骨を蹴りあげた。
下半身を抑える彼の目からは大粒の涙がこぼれ落ちた。
許せ変態。


次は下校時の注意点を教えてもらった。
『狭い歩道を歩くときは友達と並んで歩かずに、一列で歩きましょう。
車や自転車が来たら危ないからね。』とおじさんは言った。
さすがおまわりさんだ。
馬鹿で変態な二人とは違ってまともな事を言ってくれるぜ!!

『でも友達のいない可哀想な子には関係ない話だったね(笑)』と続けておじさんは言った。
余計なお世話だ、国家の犬が!!
ハゲの分際で!!


後はビデオを見たりして終わった。
別におかしな事はなかったが、見せられたビデオのタイトルが、
【交通規則を守らない子はお姉さんが逮捕しちゃうぞ♪~乱れよ!!性社会!!~】だったのが気になった。
このタイトル付けた奴はいますぐ死んでこい。


今日の帰り道、妙な色眼鏡をかけているメガネ君と、股間ばかり見ているティンコ君から逃げるように僕は、
おじさんの注意点を守り友達と並ばずに一人で下校した。


68 :1 ◆A2rpxnFQ.g :2007/04/29(日) 11:33:27 ID:5pDu4Ndl
12月8日(金)
授業後の教室で突然メガネ君が自分の人生プランについて語り始めた。

周りに人はいない。
どうやら僕に話しかけているみたいだ。
どうしてさっさと帰らずに、こんな変態と二人きりで教室にいたんだ…。
僕の心は有り余る程の後悔で埋め尽された。
余った分の後悔は右の拳に込めてメガネ君の顔面にぶつけた。


メガネ君は小学校を卒業後、中学には行かずに高校へ進むようだ。
理由は『みんなとはレベルが違うから』だそうだ。
レベルが違うかどうかは知らんが義務教育に対する認識が間違っているのは確かだ。

僕は義務教育にについてメガネ君に教えてあげた。
後ろ回し蹴りのおまけつきでだ。


メガネ君は大学(東大の予定)を卒業したら講演会を開くべく全国ツアーをするらしい。
講演内容は『天才と呼ばれる日々』だそうで、偏差値75以下の人は聞いちゃいけないらしい。
チケットは即日完売、講演会場には毎回徹夜組が行列を作るほどの盛況ぶりが予想されるそうだ。
偏差値76以上の人間がそんなにいるのか疑問に思うが、
メガネ君が言うには『どう考えても、僕の講演を聞かずに耐えられる人がいるとは考えられないんだ…。困ったもんだよ…。』らしい。

少なくとも、今困っているのは興味のない人生プランを聞かされている僕だっつ~の!!
僕はそんな言葉を拳に託し、メガネ君の前頭葉めがけ右手をぶつけた。


結婚はするらしい。
偏差値76以上の女性と。
『僕の偏差値が80になってる予定だから、偏差値76の女性との間に子どもを作れば、
一気に数値ははねあがり偏差値6080の子が産まれる計算になるんだ!!』とメガネ君は熱く語る。

なんだ6080って。
もはや偏差値じゃない。
ピッコロ大魔王とでも戦わせるつもりか。
僕はフリーザを一撃で倒せそうなパンチを、メガネ君の眉間にくらわした。


メガネ君は29歳で死ぬ予定らしい。
『天才なんていうものは長生きしないもんさ。だからこそ伝説になるんだ。
みんなに惜しまれながら僕は安らかに天へと昇っていくのさ…。』 とほざいた。

今このメガネに目の前で死なれても別段惜しむ予定のない僕は、魂をも砕く右ストレートでメガネ君のこめかみをぶっ潰した。

メガネ君は『ぐぬおぉぇぉぉ~!!』 と気持ちの悪い奇声を発して床に倒れこんだ。
しばらくはなんかもがいていたが、少し見てたら動かなくなった。


そんなメガネ君のブラックジョークを心行くまで楽しんだ僕は、日の暮れかかった空を見ながら家へ帰った。
今日も夕焼けが綺麗だぜ…。


73 :1 ◆A2rpxnFQ.g :2007/04/30(月) 15:17:17 ID:aUCxisg6
12月11日(月)
最近は学芸会の練習で忙しい。

僕のクラスは劇をやる。
題名は【溺死漁師】だ。
その名のとおり、伝説と言われた漁師が人々の記憶に名を刻むサクセスストーリーだ。

なんだかんだあって主役は僕になった。
クラスみんなの投票で決まったのだ。
メガネ君に一票入っていたがどうせ自分で入れたものだろう。
メガネ君のやることはいちいち変態だ。
主役は僕なのだ。

配役は以下の通りだ。
↓↓↓↓↓
主役のタロキチ:僕
妻のタロエリ:モンローちゃん
息子のタロ太郎:ダビデ君
近所の変質者:ティンコ君
脱糞シーン担当:メガネ君

まあ主な役はこんなものだ。
変質者の役はメガネ君の為に用意された役だ。
ティンコ君自身は『馬鹿な夫婦の間に遺伝子の突然変異によって生まれてきた100年に一人の天才』の役を希望していたが、
クラス全員からの非難を受けあえなく却下されていた。


ストーリーの流れはこんな感じだ。
なんやかんやあって主人公が溺死するらしい。
それまでは全部アドリブで通せと言われた。
無茶言うな。
だいたい溺死するのは大して重要なポイントじゃないだろ。
他に見せ場を作れや。


練習はとりあえずアドリブでやる事になった。
メガネ君が『アドリブでウンチが出たら苦労しね~んだよ!!!!』 と怒っていたが気にしない。
ティンコ君が『変質者の役なら変質者の役らしくスカートめくりをしたいんだけど、僕がめくるスカートは誰ですか!!!?』と、
ハァハァ言いながらほざいていたが気にしない。
気にはしないが腹は立ったので、メガネ君の金玉をガイル顔負けのサマーソルトキックで蹴りあげてやった。


結局、妻役のモンローちゃんと話し合ってアドリブストーリーを作ることになった。
モンローちゃんは『私との濡れ場シーンはどこで入れる?』といきなり意味不明な事を言ってきた。
なんだ濡れ場って…。
濡れるのは最後に溺死する僕だけだろうが。
何お前まで死ぬつもりでいるんだ。
わけのわからん事をほざくな。

相手がメガネ君だったらもみあげを素手で引き千切っているとこだが、
相手は女なので「最後僕が溺死するときでいいじゃん。」と言っておいた。
すると『でも死姦はやばくない?』とまた意味不明な事を言ってきた。
こいつの言っている事はティンコ君並に理解不能だ。

話し合いの結果濡れ場は、
『夫に内緒で風俗に勤めている妻。そんな妻の秘密を知った夫が激怒するが、
妻の「あなたの夢を叶える為の資金にしてほしいの!!」この言葉に夫は胸を打たれ、二人は抱き合いながらベッドへ…』
のシーンでするそうだ。

もうどうでもいい。
一人で勝手に濡れてくれ。

本番は今週の日曜日だ。


87 :1 ◆A2rpxnFQ.g :2007/05/01(火) 19:51:46 ID:MN8KldyY
12月17日(日)
今日は学芸会の本番だ。朝から落ち着かない。
高鳴る胸の鼓動を静める為、メガネ君を殴った。
おかげで落ち着いたよ。
メガネ君、いつもありがとう。

朝の最後の練習でメガネ君がみんなから責められていた。
脱糞シーンを担当するのに、今朝ウンコを家でしてきてしまったらしい。

みんなから『お前は人間のクズだ!!!!』とか『ウンコに詫びろ!!!!』とか『あなたのせいで私達の発表は台無しよ!!!!』とメガネ君は言われていた。
言われ放題のメガネ君は半泣きだ。

……………ちょっと待て貴様ら。
そんなにウンコが必要か?
学芸会でウンコする方が問題ではないのか?
なににそこまで必死になってんだ。
だいたい脱糞シーンってなんのためにあるんだ。
人間にとって最もプライベートな場面をわざわざ劇に取り入れる必要性がわからんわ。

『よく考えろ!!
おかしいのはお前らなんだぞ!!!!
目を覚ますんだ!!!!』

…と、僕は心の中で叫んだ。
だが僕の心の声は彼らには届かなかった。
メガネ君はマジで泣いていた。
まあ他人事だから基本的にどうでもいい。


僕らのクラスは午前中の最後にやる。
それまでは他のクラスがやってるのを見たりとかして暇を潰すのだ。

1年B組は【それいけ!!乾パンマン!!】という劇をやっていた。
ほのぼのした劇かと思っていたが戦時中の日本が舞台で、食料難の人々を救うために乾パンを配り続けるオッサンの話だった。
最後、オッサンは乾パンの食い過ぎで発狂死した。

2年A組は演奏をやった。
曲を【ジングルベル】にしたのは無難なんだが、なぜそれをみんなして口笛で奏でるのかがわからない。
お前らの目の前にあるハンドベルはなんの為に用意したんだ。
口笛の演奏により、五人が酸欠になり保健室に運ばれていった。
それに対し校長が『これも青春だ』と言っていたのが笑えた。

3年C組はダンスをやった。
見事なダンスだ。
…だが、なぜ今さら武富士を踊るのか疑問だ。


まあそんなこんなで僕らの出番が来た。

…長くなるから続きはまた明日書こう。


100 :1 ◆A2rpxnFQ.g :2007/05/02(水) 20:39:16 ID:CWJ+B9tR
12月17日(日) その2
僕らのクラスの出番が来た。

最初は変質者役のティンコ君が近所の女子高生を追い掛け回すシーンからだ。
女子高生役は街中から本物をスカウトしてきたらしい。

…見事な演技だ。
ティンコ君が女子高生を追い掛ける姿はまさに変質者そのものだ。
とても演技とは思えない。
街中にいたらうっかり逮捕してしまいそうな程のリアリティーがある。

迫真の演技をするティンコ君だが、追い掛けるだけで一向に話が進まない。
台本だと、少し追い掛けたら精神安定剤を飲んで家に帰る事になっているのに。

ティンコ君の目が本気になってきた。
ティンコ君がズボンを脱ぎ始めたのを見て、僕はティンコ君の後頭部に膝蹴りをくらわして舞台袖に引っ込めた。
引っ込めたられたティンコ君は『僕が悪いんじゃない!!僕の前に女子高生を出したお前たちが悪いんだ!!!!』と主張した。
変質者のティンコ君が悪いと判断した僕は、ティンコ君の前頭部に膝蹴りをくらわして便所に引っ込めた。


舞台をみると、舞台中央で必死にふんばっている男がいた。メガネ君だ。
今朝、体内から失われたウンコを蘇らせるべく本番直前まで暴飲暴食をしていたメガネ君。
今舞台では彼の、最後にして最大の戦いが行われているのだ。
『…くっ…ぬぉ………はっ!!』メガネ君のうめき声が聞こえた。
彼の己との戦いを、観客もクラスメートも固唾を飲んで見守っている。

「メガネ君がんばれ!!」
「あともうちょっとだぞ!!!!」
いつの間にかクラスメートからの応援の声が行き交うようになった。
友からの言葉を背に、メガネ君は最後の力を振り絞った。
『ぐっ……ふっ…た~…ぅぁぁぁ~!!!!!!!!!』


(…ポトッ)

…やった…。
メガネ君は遂にやり遂げたのだ。
あらゆるプレッシャーをはねのけ、この孤独な戦いに打ち勝ったのだ。

『よくやった!!!!』
『頑張ったねメガネ君!!!!』
クラスメートも彼の成し遂げた偉業を拍手とともに祝福した。
メガネ君も充実感に満ち溢れた笑顔で歓声を聞いていた。
パンツを上げるのも忘れた状態で舞台袖に戻ってきたメガネ君をみんなは温かく迎えた。
メガネ君の目には涙が溢れていた。
やったねメガネ君!!
素晴らしい感動をありがとうメガネ君!!!!!!!!


その後、先生に手をひかれメガネ君はどこかへ連れていかれた。
僕らは冷めた目でその姿を見送った。しょせんはうんこだ。


ここからは僕とモンローちゃんとダビデ君の演技だ。
ちなみにティンコ君とメガネ君の人生を賭けた変態シーンは、今後の展開に絡んでくることは一切無い。
変態はあくまでも変態で、正常な世界を生きる僕らと繋がりを持つことは許されないのだ。

息子役のダビデ君だが、セリフは『バブ~』と『オンギャ~!!』しかない。
生後間もない乳児だからしょうがないのだ。
だから劇が終るまでただ寝ているだけなのだ。


まずは僕が漁に出るシーンからだ。
僕は『行ってくるぜ!!』と言って家を出てモンローちゃんが『いってらっしゃい、あなた』と言って見送る普通のとこだ。
モンローちゃんがなぜかキャミソール姿だったのが気になったがスルーした。
どうやら自前らしい。
何を考えているんだこの女は。
キスまでしてきやがって。

それから終盤までモンローちゃんはキャミソール姿だった。
せめてパンツくらいは穿け。
PTAは何をやってやがる。


問題の濡れ場シーンが来た。
まずなんか風俗とかいう聞き慣れない単語を巡ってモンローちゃんと喧嘩をした。
よくわからないままそのままベッドに連れて行かれた。
『さあ服を脱いで!!その艶めかしき裸体を来賓者及び保護者の皆様に見ていただくのよ!!』と無理やり服を脱がそうとこの女がハッスルしてきた。
展開のいまいちつかめない僕は、モンローちゃんの脇腹に全身全霊をこめて拳をぶちかました。
モンローちゃんは泡を吹いて気絶した。
僕は間違っていない。


なんやかんやあってクライマックスが来た。
僕が溺死するシーンだ。
大きな水槽に水をためて僕が五分潜る予定だ。
そして最後は水死体の如く優雅に、それでいてグロテスクに水面に浮かび上がってくるのだ。
とりあえず僕が今したいことはこの脚本を作った奴を殴っておきたい、ただそれだけだ。

万が一に備え、保健室のおばさんが舞台袖で待機している。
手にはなぜか溢れんばかりのガーゼを握り締めている。
…疑問だ。
あのおばさんはどんな万が一を想定してガーゼを用意したのだろうか…。


僕は意を決して水に潜った。

…苦しいぜ…。
握り締めたストップウォッチが時を刻んで行く。


三分が過ぎた。
遠のく意識の中、お花畑でおばあちゃんが手をふっているのが見えた。
大好きなおばあちゃんに会えて嬉しかった。
まあ家に帰れば会えるけど。

四分が過ぎた。
薄れゆく意識の中、今までの思い出が目の前を駆け抜けた。
その思い出の中にメガネ君が登場しなかったのが嬉しかった。

そして五分が過ぎた。
顔面蒼白で水に浮かぶ僕をクラスメートは温かく迎えてくれた。
消えゆく意識の中、僕は小さなガッツポーズをした。
僕の生死をかけた頑張りを会場にいるみんなが拍手で讃えてくれた。
ありがとう。


下校途中、モンローちゃんに『腹上死なんて聞いてないわよ!!!!』と怒られた。
こいつの言うことはティンコ君並に理解不能だ。


114 :1 ◆A2rpxnFQ.g :2007/05/03(木) 20:01:41 ID:imhtxpxk
1月4日(木)
冬休みの宿題をダビデ君とメガネ君とティンコ君とでやった。
メガネ君は呼んでないのに勝手にきやがった。
ホントウザい男だ。
どこまでもメガネな奴だ。


最初は算数の友からだ。
分数やら少数点やらで実にイライラする宿題だ。
まるでメガネ君だ。

メガネ君は『わからないところがあったら僕に聞いてくれたまえ』とほざいた。
少なくとも【1+1=11】と言っているような奴に聞くことなど何も無いような気がする。
腹が立ったので、握り締めた鉛筆でメガネ君の白眼を黒く塗り潰す、という妄想をして自分を落ち着かせた。


次は習字だ。
【初日の出】と書くのだ。

メガネ君が『さあ、みんな行こうぜ!!早く漁に行ってイカスミを手にいれないと習字が出来ないじゃないか!!!!』と、
一人で何かほざいてたが無視した。

ティンコ君は筆で自分の乳首をいじくっていた。
少なくとも真顔でやるべき事ではないと思う。
30分程乳首をいじくったところでようやく彼は字を書き始めた。
意外に上手かったのがムカついたのでティンコ君のコーラを墨汁とすり替えておいた。
ティンコ君は『あれ?これ新製品?』とブツブツ言いながらも飲み干していた


次は読書感想文だ。

僕は電話帳の感想を書く事にした。
『【山本】という名字だけでも実に多くの人がいるというその事実に感無量です』とか色々書いておいた。


メガネ君は感想文を書く本を自分で執筆する事から始めていた。
勝手にやってろ。


ティンコ君は先日読んでいた女体学の本の感想文を書くらしい。
相変わらず表紙には『ハメ撮り』とか『野外プレイ』といった意味不明な言葉の数々が目を引く。
すごいよ、ティンコ君。
そんな難しい本を読むだけじゃなくて感想文を書くなんて…。
変態のメガネ君も少しはティンコ君を見習えや、糞が!!!!


ダビデ君は本と間違えて未使用のメモ帳を持ってきてしまったようだ。
涙目になりながら白紙のメモ帳の感想を頑張って書いていた。


最後は絵日記だ。

僕は毎日の夕食の献立を書いて終わらせた。

メガネ君は、恋人との甘いクリスマス、二人で迎えたNew Year等を書いていた。
フィクションのくせにやたら図々しい。
腹が立った僕は、メガネ君のメガネのレンズをビリジアンの絵の具で塗りたくってやった。

ティンコ君は、その日テレビで見た中で一番興奮した芸能人を一日一日丁寧に書いていた。
『ほしのあきちゃん☆』とか『熊田曜子ちゃん萌え~♪』とか気持ちの悪い書き方だ。
気分を害した僕は、ティンコ君の金玉にかかと落としをくれてやった。
これが本当のおとし玉だ。


宿題が終わった♪
メガネ君の人生も終わればいいのに…。


133 :1 ◆A2rpxnFQ.g :2007/05/05(土) 22:36:32 ID:LWKgP5DZ
2月9日(金)



『僕、宇宙飛行士を目指すよ!!』




いつも通り下校していると突然メガネ君がそう言った。

興味が無かったのでシカトしていたが、こいつは相変わらずしつこい。
僕の進路を体で塞ぎ、
『僕の遥かなる夢の為に親友のヒロシ君に協力してもらいたいんだ!!!!』
とほざく。
こいつに名前を呼ばれるだけでも腹が立つのに、「親友の」とか殺意のわくオプションつけやがって…。
僕は持っていたリコーダーでメガネ君の鼻の穴を左右5回ずつ突いてやった。


『宇宙飛行士になるにはまず、宇宙空間で息の出来ない状況に耐えうる心肺能力が必要だと思うんだ!!』
と、メガネ君は言う。
こいつは生身で宇宙空間に挑むつもりだろうか?
いろいろ疑問は尽きないが僕は何も言わなかった。
僕の手を汚さずに死んでくれるのが僕の理想だからだ。

メガネ君は早速、その場で息を止め訓練を始めた。





五秒後、メガネ君は苦しそうにしながら早くも呼吸を始めた。
『よし、新記録…』
と、小さい声で呟いてたが多分聞き間違いだ。
こんなふざけた新記録があってたまるか。


『宇宙は無重力なんだ。食べ物だって浮いてしまうんだよ。
充分な栄養を摂取する為には浮いている食べ物を素早く掴む俊敏性が必要なのさ。』
と、メガネ君は言う。
するとメガネ君はその場でシャドーボクシングを始めた。
全部ストレートだ。
目障りだったのでメガネ君のストレートに合わせ、カウンターをぶちこんでやった。
メガネ君は声を発する事もなく崩れ落ちた。


『宇宙は広いんだ。だから迷わないようにしっかりと地図を確認しないといけないんだよ。』
と、立ち上がった腐れメガネ君は言う。

地図は自分で作成したようだ。
『火星の手前の曲がり角を左折後、4つめのクレーターを云々…』とか書かれていた。
一体何の本を参考にしたのか知らないが、宇宙のあちこちに信号があり、歩道なども設置されているらしい。

…何を考えているんだか。
宇宙に交通規則を作ってどうしようと言うのだろうか?
赤信号を無視しても迷惑を被る奇特な方はいないだろ。

僕はメガネ君の顔をガードレールに全力で叩き付けてやった。
白いガードレールが赤く染まった。


メガネ君はこれから宇宙に旅立つべく、上記のような訓練を重ねていくらしい。
それが本当に宇宙飛行士として有意義な訓練となるのか、僕は知らない。
知ってても教えない。
せいぜい派手に、宇宙の果てで塵となってくれ。


141 :1 ◆A2rpxnFQ.g :2007/05/06(日) 19:52:51 ID:8m8SPN4x
4月28日 (土)
今日は僕とダビデ君とティンコ君とメガネ君(うんち)とモンローちゃんで秘密基地を作ることにした。
近所の森に手頃な場所があるのをダビデ君が見付けたのだ。
ダビデ君にはいつも手間をかけさせてしまって申し訳ない。
迷惑とメガネばかりかけているメガネ君なんかとは雲泥の差だ。

まずはみんなで家から役に立ちそうな物を持ち寄った。

僕はサンドバックと包丁等を研ぐ石を持ってきた。
どちらも秘密基地には欠かせぬ必需品だ。

ダビデ君はお菓子と粉末のポカリスエットを持ってきた。
やはり彼は気がきく。
生意気な口をきくメガネ君とは月とスッポンだ。

ティンコ君はティッシュを持ってきた。
それに対してモンローちゃんが『このエロ小僧!!!!』と罵っていた。
このやりとりの意味が分からない。

メガネ君は方位磁石を持ってきた。
『これなら道に迷っても安心さ!!』とメガネ君は言う。
なるほど、確かに人生という名の道を見失ったメガネ君には必要だろう。
メガネ君にしてはいい判断だ。
僕は褒める意味をこめてメガネ君のほっぺたをはさんで拍手をした。

モンローちゃんはセーラー服とナース服を持ってきた。
『わたしはいつでもOKだから♪』 と、モンローちゃんは満面の笑顔で僕ら男性陣に言った。
何がOKなのかさっぱり意味がわからない。


秘密基地は青いビニールシートを屋根代わりにした簡単なものにした。
僕らの技術ではこれ以上の水準で建設をすすめることは不可能に近いのだ。
これに対し、メガネ君が『家の中で基地を作れば屋根なんか必要無いじゃないか!!』と反論してきた。
秘密基地の存在意義を全く理解しようとしないメガネ君に腹が立ったので、
持ってきたサンドバックに入っている砂をメガネ君の鼻に入れてよく頭を振った後に口から出してやった。

秘密基地の隊長を決めることにした。
立候補はメガネ君とティンコ君とモンローちゃんだ。
メガネ君が『ヒロシ君はやらないのかい?隊長なだけに体調が悪いのかい(笑)』と言ってきた。
気が付けばメガネ君の口に渾身の右ストレートを放っていた。
今まで聞いたダジャレの中で最も不快だったからだ。
しょうがないのだ。
悪いのは生意気な口をきくメガネ君なのだ。

結局、隊長は近くを通りかかったホームレスにお願いすることにした。
僕らの中から選ぼうとすると争いが起こるからだ。
中立な立場にいるホームレスが一番よかったのだ。



一時間後、僕らの秘密基地は数人のホームレスに占拠されてしまった。
『ここにいる事は自治体の人には内緒だよ』とホームレスのおじさんに口止めされた。
僕らの秘密基地が本当の意味での秘密基地に成り上がった。





続き  ヒロシ君が日記を始めました その2は↓(更新後反映)
http://tenkomo.blog46.fc2.com/blog-entry-526.html





  
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他のクラスの出し物のくだりだけは笑った。
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さすがに管理人のセンスを疑うわ。
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おんもすれーーーー!!www
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これが才能ってやつなのか
♯4486
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